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代表メッセージ

NPO法人南沢シュタイナー子ども園
代表理事 吉良 創

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 NPO法人南沢シュタイナー子ども園は2024年度末で、開園から今まで続いてきた形態での毎日の保育の活動を終えます。

 

 南沢シュタイナー子ども園は2000年からNPO法人として活動していますが、1995年の開園以来、教師と保護者などの共同運営の無認可幼稚園という形態で保育活動を行ってきました。2クラスでたくさんの園児がいた時期もありますが、この10年ほどは1クラス体制で、園児数も減少してきました。園舎の家賃、人件費、そのほかの必要経費を担うためには、16名の園児数を確保する必要がありますが、今年度は7名の園児数です。園児数が減っても蓄えがあったのでなんとかやりくりしていましたが、それも限界となりました。

 原因としては少子化で子どもの数が減っていること、共働きが当たり前になり保育所に子どもを預けることが普通になってきて長時間の保育が求められるようになったこと、南沢シュタイナー子ども園が認可保育所ではなく、認可外保育施設でもないので幼児教育無償化の対象とならなかったことなどが考えられます。

 

 南沢シュタイナー子ども園と同じ形態の幾つかのシュタイナー園は認可保育所に移行したり、小規模保育所を始めたりという認可を受けることによって園児数を確保し、公的な運営委託費や補助金を得る方向を選んでいます。

 

 南沢シュタイナー子ども園では、東久留米市では保育所にも空きが出始めている少子化の現状の中で16人の園児数を確保することが難しいと考え、また、認可園になることによって生じる事務業務、保育士数の確保などなどの新しく生じるであろう課題を担っていくスタッフがいない状況などを踏まえ、認可外幼稚園(このような言い方はないのですが、南沢シュタイナー子ども園のあり方を一番よく表していると思います)としての保育は、2024年度の3名の年長児が卒園する時点で、このような保育形態での毎日の保育は終えることを理事会で決定し、臨時総会で承認されました。

 

 人が生まれて成長発達して大人になり、社会を担って働いて生活し、そして歳をとり、衰えていき死んでいくという、人間の人生のプロセスは、子ども園のような組織にも当てはまると思います。創立の準備を経て開園し、毎日の保育の繰り返し、積み重ねの中で成長し、時を経て衰えていく、役割を終える時がきます。人間には生まれてこようという意志、育っていこうという意志があると同時に、老いていこうという意志、死んでいこうという意志もあるのだと思います。その意志に逆らって、薬やなんらかの手段によって若い状態を保とうとしたり、薬のおかげで延命している状態にするのではなく、南沢シュタイナー子ども園は255人ほどの卒園児を送り出し、その役割を十分に果たしたと考え、最後の1年を、よい南沢シュタイナー子ども園として過ごしたいと考えています。

 

 そこで皆様にお願いがあります。最後の1年の保育をよい状態で終えるために、そして次の形態での活動を始めるために、南沢シュタイナー子ども園に資金的援助をお願いしたいのです。最後の1年に、運営費(月謝)の値上げをしたり、教師等の人件費をカットしたりするのでなく、南沢シュタイナー子ども園に集う人たちが、体も心も精神的にも健康なよい状態で最後の1年を過ごしたいと考えています。

 

具体的には今の園児数であと1年間の保育を続けるために、使ってきた物品などの整理や次の活動の準備のために300万円が必要です。南沢シュタイナー子ども園への皆様の興味、関心、思いを、寄付という形で寄せていただけないでしょうか。

 

 2025年度からは園舎を大家さんにお返しし、NPO法人南沢シュタイナー子ども園として、違う場所に本拠地を置き、次の活動を模索していきます。現在の社会に何が必要かをしっかりと吟味し、シュタイナー幼児教育を、現在の社会の中での新しい必要性、可能性を探って参ります。

​2023年11月11日 吉良 創

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